結局どれがおすすめ?スタッドレスタイヤの制動性能を数値できっちり比較してみた!

自動車

前回、スタッドレスタイヤの仕組み、雪上・氷上共にその性能を発揮させる理由を書きました。

前記事:勘違いしてない?? 雪が降らなくても凍結路を走る可能性があるならスタッドレスタイヤは必須!

 

今回は、よく巷で議論される『どのメーカのスタッドレスタイヤが一番良いのか』について解説していきたいと思います。

 

 

 

よくある、

  • ブリジストンが良いよ!俺使ったけど全然滑らないもん!(体感)
  • ヨコハマが良いってツレが言ってたよ!
  • ミシュランが最強だよ!だって純正指定だもの!

という感覚的な指標ではなく、出来るだけ定量的なデータ無いかなと思い探したところ、タイヤ公正取引協議会という内閣府所轄の組織が管理しているデータがありましたので、それを用いて各社の製品の優劣を記載したいと思います(*´ω`*)

 

タイヤ公正取引協議会のデータ比較

各メーカの試験時の条件が若干異なるのですが、車種やスピードといった明らかに結果が変わる条件は、揃えたうえで抽出しました(*´ω`*)

 

抽出データは、

  • 20km/hからの停車
  • Cセグメントに属する車(SUVやミニバンは除いています)
  • タイヤ公正取引協議会にしっかりとデータが登録されているもの(カタログ掲載のみ、というものは省く)
  • 国産メーカ

という前提で揃えています。

 

 

オートバックス製 North Trek N3i

引用元:https://shop.autobacs.com/feature/n3i

 

まずはオートバックス(横浜ゴムと共同開発)製のスタッドレスタイヤ、North Trek N3iから。

これは国産の低価格スタッドレスタイヤとして売り出されているタイヤで、タイヤサイズの幅が若干狭いものの、確かに国産スタッドレスタイヤとしては破格の価格(軽自動車サイズで1本税込み3300円程。プリウスサイズだと1本1万円程!)になっています。

 

では、このタイヤの氷上制動性能はというと・・・

 

なんか公式の画像もおかしかったのですが、矢印が飛んでますね・・・

 

雪上で、20km/hからブレーキを掛けた際の制動距離は15.19mとなっていました。

(テスト車両は50型プリウスのFFということです)

 

 

 

ダンロップ製 WINTER MAXX 02

引用元:https://tyre.dunlop.co.jp/tyre/lineup/studless/wintermaxx/

 

ダンロップのスタッドレスと言えば、Winter Maxxですね。

最新型は03らしいのですが、データが無かったのでWinter Maxx 02を持ってきました。

 

Winter Maxx 02の氷上制動性能はというと・・・

 

 

雪上で、20km/hからブレーキを掛けた際の制動距離は12.0mとなっていました。

オートバックスのNorth Trek N3iよりも格段に制動距離が短いように感じますが、気になるのはこちらのデータ、テスト車両がゴルフ7のFFモデルを使っている点。

 

恐らくプリウスのデータよりも制動距離が短くなるはずなので、同条件で比較すると、もう少し悪いデータになるかもしれません。

 

 

ヨコハマ iceGUARD iG60

引用元:https://www.y-yokohama.com/product/tire/iceguard_6/

 

ヨコハマのスタッドレスと言えばアイスガードですね。

現状の最新モデルであるiG60のデータがありましたので、それを持ってきました。

 

iG60の氷上制動性能はというと・・・

 

雪上で、20km/hからブレーキを掛けた際の制動距離は12.1mとなっていました。

 

ダンロップのWinter Maxx 02とほぼ同じ値なのですが、こちらの試験車両は50型プリウス。

という事は制動距離で不利にもかかわらずWinter Maxx 02とほぼ同じ値を出しているので、同条件下ではiG60の方が性能は上と思われます。

 

 

ブリジストン ブリザック VRX2

参考URL:https://tire.bridgestone.co.jp/blizzak/vrx2/

 

国産勢最後は、言わずと知れた最強のスタッドレスタイヤと名高いブリジストンのVRX2です。これは新作にもかかわらずデータが用意されていましたので、最新情報としてお伝えします。果たしてその性能は、噂通り他メーカを凌駕しているのか・・・?

 

VRX2の氷上制動性能はというと・・・

 

雪上で、20km/hからブレーキを掛けた際の制動距離は10.35mとなっていました。

試験車両は50型プリウスですので、文句なしに国産No.1のスタッドレスタイヤと言えます。

 

その分値段もお高いですが・・・。

 

 

比較纏め。最強のスタッドレスは??

さて、タイヤ公正取引協議会のサイトにある国産タイヤ勢のデータを引っ張ってきましたが、最後にそれらを纏めて表示したものが下表となります。

 

 

制動性能 No.1は、やはりブリジストンのVRX2で決まりです。

 

ダンロップとヨコハマが時点で2位、オートバックス製は残念ながら今回取れたデータの中では最下位という結果でした。

 

そして、今回データなかったのですが、ダンロップの最新スタッドレスタイヤ”Winter Maxx 03”のデータが入ると、ひょっとするとブリジストンのVRX2と良い勝負をするかもしれません。

 

Winter Maxx 03の謳い文句を見ると、氷上性能特化型ではあるものの、氷上制動距離は従来製品の22%改善ということなので、単純計算すると9.36mという制動距離になります。

ただ、車両重量的にはダンロップが使っているゴルフ7の方が軽いので、VRX2とトントンくらいかと。これはデータ出てこないと何とも言えませんが・・・

 

また、いくつかの海外メーカはデータがありましたので、次回はそれも取り上げてみようかなと思います。