こんばんわ、たまです。
本日は、今更ながらプリウスPHVの試乗インプレッションをお届けします(*´ω`*)
先日、C-HRの1年点検のためにディーラーを訪れたのですが、点検に要する1時間の待ち時間が暇だったので、適当に展示車の試乗をさせてもらうこととしました。
その日すぐ試乗できたのは、ノアやカローラスポーツ、そしてこのPHV。
カローラには先日乗ったし、ノアに乗る気もなかったのでとりあえずPHVを試乗させてもらうことに。
以前リーフに乗っていた身としては、プリウスのモータ出力程度では、リーフのような軽やかな走り(トルクを生かした意のままの加速感、とでも言いましょうか)なんて到底無理で、どうせノーマルプリウスのようなモサッとした加速感なんだろうな、と生意気なことを考えていたのですが・・・
最初に結論を書いてしまうと、見事に私の負のイメージを払拭してくれました。
(主にEVモードでの走行性能が、です)
そして次期愛車候補にしても良いとまで思うようになってしまいました(*´ω`*)
プリウスPHVのどこにそんな魅力があるのか、いつも通り各項目に対して★評価を付けていき、私のお気に入りポイントと最終的な車の完成度を評価していきたいと思います。
外観について ★★★★☆
まずは外観のレビューから(*´ω`*)
4代目プリウスが発表された際に、すでにPHVの発売は示唆されていましたが、そこから約1年と数カ月を経て登場した新型プリウスPHV。
4代目プリウスはその奇抜なデザインから、乗り換え需要が見込まれる3代目プリウスの所有者からも、『いつもお世話になってて乗り換えたいんだが、これ(4代目プリウス)だけは勘弁してくれ』とまで言わせる、謎の方向に舵を切った進化を遂げたことが知られています。
一方で、このプリウスPHVは、旧型のPHVと異なり、明らかにプリウスの上位モデルとしてデザインされており、その評価は非常に高く、4代目プリウスのマイナーチェンジ時にはこのPHVルックにブラッシュアップされると言われるまでの高評価を得ていました。
実際、試乗車を借りてデザインを見ても、かなりカッコイイ造形となっていると思います(*´ω`*)
特にモデリスタ等のエアロを付けたPHVなんかは、かなりスポーティで非常に惹かれます。
特徴的な片側4連のプロジェクターヘッドライトを装備し、これまでのトヨタデザインからは大きくかけ離れつつ、兄貴分(?)のトヨタMIRAIにも似せたフォルムで形作られています。
しかし、MIRAI似といっても、さらに洗練されており、断然こちらの方がかっこいいですね!
こちらがMIRAIの実車。
たまたま先日訪れたドイツで見かけたものですが、ヘッドライト部分がPHV同様に4連プロジェクターとなっていることが分かります。
フロントバンパーの造形もそっくりです。
続いてリアサイド。
こちらも、ノーマルのプリウスとはかけ離れたデザインとなっており、通天閣テールランプという不思議な別称を与えられてしまったノーマル版と異なり、シャープでカッコイイテールランプに置き換えられています。
PHVの特徴として、写真に写っているリアハッチは2つの面白い特徴を持っています。
一つ目は、ダブルバブルウインドウによる、車体側面の空気を整流化し、空気抵抗を減らすという新しいデザイン手法。
リアガラスの中央部分が湾曲していることが分かると思いますが、ガラス自体が波打った状態で成形されており、このくぼみで車体外部を流れる空気を整流化し、空気抵抗を軽減しているのだそうです。
今までにない形状で、実際見てもとても面白かったです。
ちなみにこのガラス、車内から外を見たときにどう見えるのかというと、こんな感じ。
リアハッチ後端はガラス形状に合わせて湾曲しているため、室内からでも曲がっているのが分かるのですが、湾曲しているはずのガラス面に注目すると、全く違和感なく外の景色が見えていることが分かります。
変な形状をしていても、内部からの視界はしっかり違和感なく確保されていました(*´ω`*)
そしてもう一点は、リアハッチの素材がカーボンでできているという点。
ハッチの開口部をよく見ると、しっかりとカーボン繊維の網目が見えるようになっています。
実はこの素材、後になって登場したカローラスポーツもリアハッチに採用しています。
カーボンとは、正式名称をCFRP(炭素繊維強化プラスチック)と言い、強度に優れる炭素繊維を編み込んで、樹脂で固めたプラスチックというものです。
その強度は鉄に匹敵するにもかかわらず、重量は数分の一という非常に優れた性質をもつ材料なのです。
こんな感じのやつです。
よく見かけますよね?
主に軽量かつ強度が要求されるスポーツカーのボンネットやルーフ、高級自転車のフレーム、果てはバイクのホイール等、様々な用途に使用されています。
ちなみに、レクサスのスポーツカーであるLFAのボディは、このCFRPで形成されています。
レクサス最高峰の車の技術を応用して作られたのがこのプリウスPHVのリアハッチなんですね(*´ω`*)
これだけでも機械とか材料好きには眉唾物です笑
内装について ★★☆☆☆
内装については、やはり少々チープと言わざるを得ません・・・(^-^;
勿論、そういう車であることは分かっているのですが、車両価格から考えるともう少し質感があると嬉しいですね(*´ω`*)
運転席周りは殆どが硬質プラスチック製で、皮素材はおろかソフトパッドも見当たりませんでした。
運転席周りで唯一ソフトパッドが用いられているのが、ドアハンドルのひじ掛け部分でした。
一応、ウインドウスイッチ周りやエアコン周辺は、ピアノブラックがあしらわれていたりして、若干質感への考慮を感じられます。
インパネ周りはこんな感じです。
ナビの周辺はピアノブラック調のパネルで見栄えはそこそこ良かったです(*´ω`*)
ただし、ダッシュボード含めて他の個所はプラスチッキーです。
センターコンソールはこんな感じで、C-HRのようにピアノブラック調のパネルで覆われています。
肘置きの下にはオーディオの入力端子がありました。
リアシートはこんな感じ。
ちなみに登場時に少し話題になったのですが、プリウスPHVは4人乗り仕様です。
リアの肘置きは固定式で、カップホルダー周辺はピアノブラック調パネルがあしらわれていて、ここの質感は良いですね(*´ω`*)
肘沖の下は結構な広さの小物入れになっていました。
尚、2019年5月にプリウスPHVに小改良が施され、5人乗り仕様が追加されています。
試乗車は4人乗り仕様のままだったのですが、5人乗り仕様であれば買ったのに!という人も結構いらっしゃるようで、そのような要望に応えた改良なのでしょうか?
セールスの方が言うには、肘置きの下にバッテリーがあるから座席を用意できなかったのではなく、車両全体の重量等を考慮(たぶんモード燃費に影響がある?)しての4人乗り仕様だった、ということ。
まぁ大は小を兼ねるが好きな日本人にはこちらの方がウケが良いですよね(*´ω`*)
こちら、リアラゲッジです。
これ、実際に見ると、バッテリーがトランク下に搭載されている関係で、結構高さがかさ上げされていることが分かります。
一応ゴルフバック2個は乗るらしいですが、狭い狭いと言われているうちのアコードよりも狭そうです(; ・`д・´)
一応周囲に小物入れも用意されているのですが、一番大きな小物入れには充電用のケーブルが鎮座しており、左奥の小物入れにはパンク修理キットが。
自由に使えるのは、実質右側の小物入れ程度となります。
巨大なバッテリーを積んでいるのである程度仕方ないものの、やはり狭いと言わざるを得ないですね(^-^;
内装はこんな感じです。
車両価格の割にはどうしてもチープ感が漂っていますが、この車の場合はどこにお金を掛けているのかがはっきりしているので、まぁ納得できるかと(^-^;
高級感を求めるなら別の車を買え、ということですね(*´ω`*)
走行性能について ★★★★★
さて、この記事メインの内容にたどり着きました笑
内装のチープさに落胆しつつも、『この車が欲しい!!』と思わせる要因は、その走行性能にあります!
大容量バッテリーの搭載によってJC08モードで60km以上のEV走行距離を確保しており、実走行でも片道20km程度なら、EVとして使用することができるようになっています。
私の場合、通勤が片道約20kmですので普段使いは丁度EVモードで賄え、土日の遠出の際にようやくガソリンを使うという状況になりそう。
しかも、PHVなので、リーフの時に痛感した電池劣化による航続距離の低下を感じることは無く、たとえ電池が劣化したとしても、ノーマルのプリウスと同等の燃費性能を維持したハイブリッドカーとして走り続けることができます。
でも、私が強く伝えたいのは、EV走行距離ではなく、そのパワフルさです(*´ω`*)
これは、PHV所有者の方や試乗された方のレビューを見ても、EV走行が力強いと書いてあるのですが、正直そこまでのものではないだろう、と勝手に思っていたのです。
というのも、プリウスに搭載されているモータの出力は16.6kgf・mという値。
このトルクは大体1.6Lクラスのエンジンのトルクと一致します。
一方、私が昔のっていた電気自動車の日産LEAFに搭載されていたモータの出力は28.6kgf・mでした。これは大体3Lクラスのエンジンのトルクと一致します。
なので、カタログ値で見た場合、プリウスに搭載されるモータの出力は、非常に低く、しかも大容量バッテリーを搭載していることにより車体重量が1.5tが超えていることを考えると、モータの豊富なトルクをもってしても、モッサリとした動きであると想定していたのです。
今乗っているアコードハイブリッドに搭載されているモータの出力は31.3kgf・mなので、リーフより更に強力なモータを搭載しています。
これら3Lクラスのトルクを経験しているため、プリウスのモータのトルクでは、せいぜい普通に走るのが限界であろうと、予想していたのですが、結果、いい意味で裏切られました(*´ω`*)
モード選択はEVモード、かつパワーモードの状態に限りますが、トルク感で言えばリーフとも遜色なく感じました。
これは凄い!モータのトルク値からは想定できないくらいのパワフルさを感じさせてくれます。
そして、同じモータを積んだC-HRやプリウスとは全然違います。感覚的には一回りも二回りも大きな出力のトルクを積んでいる感じです。
全くパワー不足を感じることはありません(*´ω`*)
試乗中にバイパスも走行したのですが、ある程度の速度(80km/hあたり)に入ってからの加速でも『クンッ』と車体を加速させるほどのトルクを発生させます。
そして、これだけのトルクを発生させながらも、PHVにありがちなアクセルの踏み込みによるエンジン起動も起こることなく、完全なEVとして走りきることができます。
なんでこんな出力の低いモータでここまでの走りができるのかと思ったのですが、よくよく調べてみると、旧型のPHVと異なり、新型のPHVは走行用のモータだけではなく、ジェネレータとして使われるモータも走行に使うことで総合的なモーター出力を上げているそうです。(デュアルモータシステムというらしいですね)
それぞれのモータのトルクを見てみると、
- 走行用モータのトルクは16.6kgf/m
- ジェネレータ用のモータ4.1kgf・m
単純に合計すると、20.7kgf・mとなりますので、出力的には2.0Lガソリンエンジンくらいのトルクとなります。
これだけ見ると、やはりリーフやアコードのモータ出力には及ばないように見えますが、実際にPHVで走ってみると、先に述べた通り不足ない加速を見せてくれます。
恐らくは、モータのトルクの発生ポイントと関係していて、2.0Lガソリンエンジンの最大トルクが極低速で発生すること、そして、実際のところ、これくらいのトルクがあれば、十分なトルク感を感じることができるのでしょう(*´ω`*)
また、リーフの出力に関しては、タイヤがスリップしないようにある程度の制限を掛けているとも聞いたことがあります。
従い、逆に言うとリーフは極低速では持て余してしまうトルクを制限し、プリウスPHVは発生トルクをそのまま(もしくは制限を少なく)使っていて、その値が丁度同じくらいになっているのかもしれません。
ただし、最初に書いた通り、この加速感を感じることができるのはEVモードかつパワーモード時のみとなります。
EVモードでもノーマルモードであれば、通常のプリウスと変わらない加速感でした。
(もちろん踏み込めばパワーモードと同様の加速をしてくれるとは思います)
HVモードのパワーモードがどうなるのかは試していませんでした・・・また機会があれば試してみたいと思います(*´ω`*)
というように、モードによって印象が変わるものの、EVドライブのパワーモード時は、これまでのプリウスとは一線を画す加速性能を見せてくれ、そのパワー感は様々な媒体で紹介されている通り、モータならではの豊富なトルク感を存分に感じることができる性能を秘めていました(*´ω`*)
乗り心地について ★★★☆☆
続いて乗り心地について。
プリウスPHVは、うちのC-HRと同様TNGAプラットフォームを採用しています。
というか初のTNGA採用車であるプリウスのバリエーションなので、当然と言えば当然ですが(^-^;
そして、タイヤは15インチを装着していました。
乗り心地に関しては、プラットフォームおよびタイヤサイズから見て、かなり有利な条件だと思うのですが・・・意外と固いな?というのが感想です。
エコタイヤで空気圧が高かったという要因も影響しているとは思いますが、18インチのタイヤを履いているうちのC-HRよりも明らかに乗り心地は劣ります。
そして、静粛性に関してもC-HRに軍配が上がります。
煩くはないのですが、制振がしっかりできていないような印象です。
走行時のロードノイズや、段差を乗り越えた際の衝撃音がフレームに伝わりビビり音が割と耳に着いたのです。
といっても、空気圧の高いエコタイヤを履いていますので、乗り心地という観点からすれば不利な状況であると思います。
タイヤをコンフォートタイヤに変えれば、状況は大きく変わる可能性がありますので、車体だけの問題ではないかもしれません(*´ω`*)
そもそも最新のTNGAプラットフォームなので、素性は悪くないはずですしね。車の性格付け的に、乗り心地や遮音というのは比較的奥手になっているのかと。
その他気になった点
プリウスPHVを試乗して気になった点が、これだけ最新のシステムを積んでいながらパーキングブレーキが電動化されていないという点。
これは驚いたのですが、実はマイナーチェンジを受けたノーマルのプリウスも電動パーキングブレーキ&オートホールドの機能は採用されていません。
テスラのモデルSを彷彿とさせる大型の11.6インチの大型ディスプレイやコネクテッド技術、スマートフォンによる外部接続等、様々な最新技術を導入しているプリウスPHVですが、こういった箇所もしっかり最新のシステムを導入していただければと思いますね(*´ω`*)
ですが、電動パーキングブレーキを採用していないのであれば、全車速追従タイプのクルコンは採用されていないのかと思って調べてみると、しっかり採用されていました。
ということは、電子制御のブレーキシステムはすでに導入されている??マイナーチェンジプリウスもそうですが、どうも謎な仕様です(^-^;)
まとめ ★★★★☆
ということで、今更のプリウスPHVの試乗レビューでした(*´ω`*)
纏めると、良い点としては
- リーフやアコードハイブリッドに匹敵するEVモードのトルク感で、街乗り、高速走行共に不満を感じることのない走行性能を発揮。
- 大容量バッテリーの搭載により、カタログ値で60km以上のEV走行距離を獲得しており、実走行でも片道20km程度であれば完全なEVとして使用できる。
- もちろん、PHVなのでバッテリーが無くなってもハイブリッドカーとしてそのまま走り続けることができる。
- 複雑なシステム、および巨大なバッテリーを搭載しているにもかかわらず、車体サイズはコンパクトにまとめられており、日本での使用を念頭に置かれた万人受けするサイズ感である。
逆に不満点としては
- 内装がチープ。価格に見合った内装を期待するとがっかりする可能性がある。
- バッテリーが巨大なため、ラゲッジスペースが犠牲になっている。
- 電動パーキングブレーキ不採用で、最新車両としては先進感に欠ける。
といったところ。
総合評価は★4とさせていただきました(*´ω`*)
走行性能で満点、一方で内装質感や乗り心地でポイントを下げてこの評価となります。
内装質感はレザーパッケージ、もしくはGRモデルを選択することで解消できると思いますが、電動パーキングブレーキが採用されていないのはやはり痛い・・・
C-HRに乗っていて、電動パーキングブレーキは非常に便利に感じるので、次期愛車にはぜひ取り入れたいと考えています。
これが採用されれば私的評価はかなり上がり、まじめに次期愛車の候補になってくるのですが・・・マイナーチェンジに期待です(*´ω`*)
(MTがあればなぁ・・・)
そろそろマイナーチェンジの情報が流れてきても良いと思うのですが、音沙汰ありませんね・・・ディーラーの方も『遅い』と言っていました。
トヨタはEVとスポーツカーに注力中??
ということで、最後までご高覧頂き、ありがとうございました(*´ω`*)