Kawasakiがやってくれました!
かつてKawasakiから販売されていたバリオスⅡから早12年。
漸く250ccの4気筒エンジンを搭載したバイクが返ってきてくれました(*´ω`*)
よくやってくれたカワサキ!
ということで、様々な媒体で話題になっているKawasakiの新型クォーター4気筒スポーツモデルのZX-25Rについて少し書こうと思います。
未発表の性能とか最新の電子性能に注目が集まっていますが、なぜこれほどまでに注目されているのでしょうか?
250cc 4気筒エンジンは日本のガラパゴス製品??
世界的に見てもバイクに直列4気筒エンジンを搭載するのは稀なことで、特に低排気量のバイクで4気筒モデルが求められているのは日本くらいのものです。
つまり、日本人は他国と比べて4気筒エンジンが異常に好き。もっと言えば多気筒エンジンに魅力を感じる種族なようです。
例えばアジアで流行っているバイクと言えば、大体が単気筒か2気筒どまり。
私も何度か海外を経験していますが、アジアではあまり3気筒以上のバイクを見かけることはありません。
別の記事でも記載しているのですが、低排気量での街乗りや扱いやすさを重視すると単気筒エンジンか多くても2気筒エンジンが向いています。
というのは、同じ排気量であれば気筒当たりの爆発力が大きいためトルクを稼げるから。
トルクを稼げるという事は、回転数をそれほど上げずに車体を動かすための力を得ることが出来るので、低速走行や街中、ストップアンドゴーが多用される渋滞中などで扱いやすくなるのです。
逆に言えば、多気筒化すると、単気筒エンジンと同一回転数で比較した際に、回転数当たりのトルクが低くなってしまいますので、扱いづらくなります。
逆に、多気筒化することによるメリットとは、許容回転数を上げ、馬力を向上させることが出来るということ。
馬力というのはトルク×回転数で算出されますので、多気筒化によるトルクの低下は回転数の増加で補うことが出来ます。
そして、馬力が向上すると何が良いのかというと、車速の伸び、最高速度が上がります。
言わば、レースのような常に高回転を維持できるような状況であれば、この多気筒エンジンの持つ力を存分に発揮できるようになるのです。
※気筒数による違いは、詳しくはこちらで解説してますので良ければ読んでみてください。
バイク初心者が気を付けたい、自分にぴったりのバイクを見つける方法! エンジンの種類(気筒数による違い)について
なので、250cc4気筒モデルは街乗りでの快適性は捨て、極限状態(高回転状態)でのパフォーマンスを追い求めた非常にストイックなモデルと言えます。
(なので、車両名がレーサーレプリカの直系であるZXとなっているのですね。)
で、そんなバイクなので数が売れることを望めず、そもそも日本以外で作られないと。
日本はバイク市場にとってはかなり特殊な環境なので。
緻密な日本人が好む、緻密なエンジン。それが直列四気筒 250cc
では、何故日本人が、そのような扱いの難しい4気筒エンジンを好むのか。
これはもう日本人の癖というかなんと言うか、緻密なものに魅力を感じる種族なんですよね。
4気筒エンジンなんて、上述の通りトルクは低くて低速乗り辛いし、いざメンテナンスとなると部品が多くお金がかかるしエンジンオイルの量も多い。
しかも車両重量も重くなりがちで、実用性を考えればクソみたいなバイクと言っても過言ではありません。
でも、良いんですよね。。。あの滑らかな回転が・・・。
現状400cc以下で唯一4気筒エンジンを積むHONDAのCB400も、ZX-25Rと同様の直列4気筒を積んでいますが、あのエンジンも、まさにモーターのようにスムーズに回ってくれます。
単気筒や2気筒のような鼓動感が無い、シルキーな回転。
その回転フィールからは投入した燃料を”無駄なく、全て力に変えている”かのような効率の良さを感じることができ、それが日本人のツボに嵌っているようです。
F1サウンドともいわれる4気筒エンジン独特の音
そして、中でも250ccの4気筒が好まれるのは、個々のピストンの小ささから上位排気量のエンジン以上の高回転化が可能という点。
かつてはHONDAのホーネットやKawasakiのバリオスといった4気筒エンジン搭載の250ccネイキッドが存在しましたが、それらのエンジンはなんと許容回転数が20000rpmというトンデモエンジン。
その回転数から奏でられる音色はF1サウンドともいわれる通り、とてもレーシーな音となります。
しかも、600cc, 1000ccのバイクと異なり、日常域でこの回転数を使うことが出来るのがこの250cc 4気筒なのです。
エンジンを楽しむという点で、これを超えるタイプのエンジンは無いと、個人的には思います。(もちろん単気筒や2気筒の鼓動感、サウンドが好きという方もいらっしゃいますので人それぞれですが)
低排気量の直列四気筒が入手できるのは日本だけ!!
これまで記載した通り、他の国では低排気量エンジンと言えば単気筒か2気筒までです。それは、4気筒エンジンはメンテナンスに金がかかり、部品点数も多くなり故障の可能性も増すといったメンテナンス的な側面や、街中での扱いやすさ、燃費といった面で、実用性で勝ることが出来ないためです。
逆に言えば、日本のようにバイクに関して成熟した市場(通勤手段は公共機関やマイカーの保有率が上がりきり、バイクを単純な移動手段としてよりは趣味として見る社会)においては、実用性よりも奇抜性や特殊性が好まれます。
そういった点で見れば、この250ccの4気筒モデルというのは特異も特異、実用性を極限まで高めたホンダのスーパーカブと対となる、趣味全振りのクレイジーなモデルと言えるでしょう。
でも、だからこそ希少価値があるのです。
日本にいると感じることが出来ませんが、250cc 4気筒エンジンなんて、頭のおかしい日本人くらいしか作っていません(誉め言葉です)
そんな直列四気筒250ccモデルを出してくれたカワサキに深い感謝を捧げます。
(と、これだけ持ち上げておいてアレですが、私買えません・・・お金がないから・・・いつかは欲しいな・・・)
まとめ・・・というより締め
ということで今回は250cc 4気筒エンジンを搭載するZX-25Rについて、私の思いをだらだらと書かせていただきました。
結局結論は何なんだ、と言われると難しいのですが、一言で言うなら
『こんなふざけたエンジンを搭載したバイクを再び発売してくれたカワサキに感謝!日本の変態技術(誉め言葉ですよ)を感じることのできる唯一のバイク』
の紹介でしょうか(*´ω`*)
ホント、注目度抜群なので、もしバイクに興味があってお金に少し余裕があるのであれば、グローバルモデルの最大公約数的なバイクよりも、日本人の嗜好に合わせたこういった刺激的なバイクをお勧めします(*´ω`*)
ありがとうございました。