ハイブリッドに負けず劣らず優秀なダウンサイジングターボについて。トヨタやホンダで採用している車も併せて紹介!

知らないと損をしてしまう情報

こんばんわ、たまです。

 

今回は、ダウンサイジングターボについてお話しします。

ダウンサイジングターボと言われてパッと思いつくのは、ヨーロッパ車のゴルフ等に搭載されている小排気量ターボエンジンでしょうか?

日本で主流となっているハイブリッドシステムに対し、主として欧州が燃費を向上させる手法として積極的に採用しているシステムです。

 

世界的な流れに合わせて、最近日本車の中でもこういったダウンサイジングターボが広がってきておりますので、その優れた特徴と、気になる燃費について解説したいと思います(*´ω`*)

 

そもそもターボとは?

 

カローラスポーツ エンジン外観

トヨタが採用する1.2lダウンサイジングターボエンジン。

 

ターボエンジンとは、簡単に言うと、エンジンから排出される排気ガスのパイプ内にプロペラ(インペラと呼ばれます)を設置し、排ガスの力でそのプロペラを回し、反対側に装着している同様のプロペラを用いて、エンジン内に導入する空気の量を増やし、疑似的に排気量を上げるシステムです。

 

 

分かりにくいですね(^-^;

上記図の通り、吸入ラインと排出ラインに設置したインペラが、エンジンの高温排気ガスによって回転することで、反対側のインペラも回転します。

それによって、吸入空気が増大され、シリンダー内により大量の空気を押し込むことができるのです。

 

こうすることで、そのエンジン排気量以上のエネルギーを生み出すことができます。

 

軽自動車に採用されているターボ車が、なぜパワーがあるのかというと、上記の仕組みによって、実際はエンジン内で1Lクラスのエネルギーを取り出せているからです(*´ω`*)

 

ちなみに、ターボエンジン(加給エンジンとも言います)に対して、通常のエンジンはNAエンジン、自然吸気エンジンと呼ばれます。

NAとはNatural Aspiration or Normal Aspirationの略です。Natural Airと略してしまいそうですが・・・。

 

ダウンサイジングターボとは?

ダウンサイジングターボとは、これまでの大排気量エンジンから排気量を大幅に減らし、ターボで加給することによって、大排気量エンジンと同等のパワーを捻出しつつ、効率を上げる(低燃費化する)というシステムです。

 

つまり、

排気量の大きいエンジンは燃費が悪い!世界の流れ的にも資源を守るためにも、どうにかして燃費をよくできないものか・・・』

 

排気量を小さくすれば燃費が良くなるぞ! でも、パワーが出なくなってしまう・・・』

 

『ではそのパワーが減った分をターボで加給して上げてしまえば、小さい排気量なでも大きな力を出すことが可能だ!』

 

という感じです(*´ω`*)

 

具体例で言えば、上記に記載したトヨタのカローラスポーツに採用されている1.2Lダウンサイジングターボエンジン(8NR-FTS)は、1.2Lという排気量ですが、ターボ加給することで、そのスペックを1.8L自然吸気エンジンに匹敵するレベルまで高めることができています

 

それでいて、カタログ燃費は1.8Lエンジンよりも低燃費という素晴らしいエンジンができました、というわけです(*´ω`*)

※トヨタ カローラスポーツ 2018年モデル 1.2L ダウンサイジングターボエンジンを積む。

 

 

尚、カローラスポーツは1.8L相当ですが、ゴルフのTSIハイラインの1.4Lダウンサイジングターボエンジンは2.4L相当のパワーを引き出しています。

※VW ゴルフ7.5 ハイライン 1.4L TSIエンジン(ダウンサイジングターボ)を積む。

 

2.4L相当というと、トヨタのエスティマとかマークXといった、かなり大型の車体に採用されているエンジンと同じクラスです。

 

こういった感じで、高出力低燃費という欲張りな要求を叶えることができるエンジンなんですね(*´ω`*)

 

 

実際の燃費は?

上記で、燃費が良いと書きましたが、実際のところどうなのでしょうか?

実は、日本で使う場合は、宣伝しているほどは燃費の良さを実感している人は少ないようです。

 

というのも、よく言われることですが、日本は渋滞社会で、海外は一部を除いては渋滞の比較的少ない地域が多いです。

 

後者の場合は、ダウンサイジングターボは力を発揮するものの、日本の場合は、渋滞が多いために巡航時の燃費を上げる、というよりは、いかにエンジンが止まっている期間を長く作るか、という点が重要となります。

 

ちなみに、先日試乗してきたカローラスポーツの燃費ですが添付写真の通りそれほど良い値ではありません。

といっても試乗車なので、一般的な燃費数値とかけ離れていることはご了承ください(; ・`д・´)いくら何でも実燃費8.5km/lということはありませんので。。。

カタログ燃費では16km/l程ですので、実用燃費は12km/lほどで、2Lエンジンと比べてもあまり変わりないという印象・・・。

 

 

なので、日本では、頻繁にエンジンをストップでき、モータのみでも走行が可能なハイブリッドシステムが爆発的にヒットしているのです。

 

カタログに載っていない優れた特徴とは?

ダウンサイジングターボの魅力は、個人的にはその動力性能だと考えています。

 

上記に挙げたカローラスポーツですが、単純にカタログスペックを見ただけだと、

 

『なんだ、加給しても1.8L自然吸気エンジン程度のパワーか・・・』

 

と考えがちですが、実はダウンサイジングターボエンジン(ダウンサイジングに限りませんが)は、実際の数値以上にパワーを感じることができます。

 

理由は簡単です、下記グラフを見てみてください。

 

 

 

サクッと作ってみましたが、今回紹介している1.2Lダウンサイジングターボエンジンと、それと同等のパワーを持つ1.8L自然吸気エンジンのトルクカーブです。

 

縦軸がエンジントルクで、横軸が回転数を示しています。

簡単なグラフの読み方として、上に線があるほどパワーがあり、右に行くほど回転数が上がる、つまり、アクセルを踏み込む必要があるということを示しています。

 

この図を見ると、最高出力こそ両エンジンとも同じくらいですが、ダウンサイジングターボエンジンの方は、かなり低回転から急激にトルクが上昇し、最高出力を発揮していることが分かります。

 

ここが重要です。

 

これに、さらに上位のエンジンのトルクカーブを重ねてみましょう。

 

例として2.5L自然吸気エンジンのトルクカーブを重ねて表示してみました。

厳密には違うかもしれませんが、イメージとしてこのような形になります。

 

この線を見てあることに気づきますでしょうか?

 

1.2Lダウンサイジングターボエンジンのトルクカーブは、2.5L自然吸気エンジンの最高出力、トルクには全く及ばないものの、初期のグラフの傾きが非常に似通っていることが分かります。

 

つまり、このターボエンジンは、低回転~中回転までは、1.8Lエンジンどころか、さらに上のクラスのエンジンに匹敵する出力が出ているということになります。

 

実際、様々な方のインプレを見ても、数値以上のトルクを感じた、というレビューがよく載せられていますが、こういう原理なのですね。

1.8L NAエンジンとピークパワーは同一なものの、トルクの出方はむしろ、さらに上の排気量のエンジンに近いのです。

 

また、ハイブリッドカーと異なり、電池の残容量によってアシスト量が変わり、動力性能が変わるといった予測不可能な挙動はターボ車にはありません。(一時はこれを嫌って教習所でハイブリッドカーが採用されなかったとか、、、今は普通に見かけますね)

 

これが、(ダウンサイジング)ターボエンジンの利点です(*´ω`*)

 

日本国内で言えば、燃費はそのまま、パワーは同クラス以上の力を発揮するというのが特徴でしょうか。

 

それは、数値に現れている以上に体感することができます。

 

日本でのダウンサイジングターボエンジン搭載車種

燃費を追い求めるならもちろんハイブリッドカーなのですが、ダウンサイジングターボエンジンもなかなか面白いと思いませんか(*´ω`*)

簡単に日本のメーカが発売しているダウンサイジングターボエンジン搭載車種を紹介しておきます。

 

トヨタ

  • クラウン 2.0L ターボエンジン搭載車。 3.5Lクラスの最大トルクを発揮。
  • カローラスポーツ 1.2L ターボエンジン搭載車。 1.8Lクラスの最大トルクを発揮。

 

ホンダ

  • シビック 1.5L ターボエンジン搭載車。 2.2~2.5Lクラスの最大トルクを発揮。
  • ステップワゴン 1.5L ターボエンジン搭載車。 2.0Lクラスの最大トルクを発揮。
  • CR-V 1.5L ターボエンジン搭載車。 2.5Lクラスの最大トルクを発揮。
  • ジェイド 1.5L ターボエンジン搭載車。 2.0Lクラスの最大トルクを発揮。

 

日産

  • スカイライン 2.0L ターボエンジン搭載車。 3.5Lクラスの最大トルクを発揮。

 

SUBARU

  • レヴォーグ 1.6L ターボエンジン搭載車。 2.5Lクラスの最大トルクを発揮。

 

三菱

・エクリプスクロス 1.5L ターボエンジン搭載車。 2.5Lクラスの最大トルクを発揮。

 

スズキ

  • バレーノ 1.0L ターボエンジン搭載車。 1.6Lクラスの最大トルクを発揮。

 

敢えて、最高出力重視のタイプR、WRX STI、スイフトスポーツは掲載していません。

他にもあると思いますが、パッと思いつくのはこんなところです。

国内もかなり増えてきましたね・・・(; ・`д・´)

 

 

まとめ

ということでダウンサイジングについて纏めてみました。

 

少ない排気量でも、ターボ加給することにより必要な出力を維持し、さらにシステムの全体的な損失を低く抑えて燃費も稼ぐ、というのがダウンサイジングターボです。

ただ、日本国内においては、道路事情からハイブリッド車の方が燃費性能は優れた値を出すことが多く、どちらかというとスポーティさを求める人に向いている車ではあります。

 

とはいえ、低回転から巨大なトルクを発揮するエンジンですので、運転のしやすさはピカイチ。トルクがあるということは、アクセルペダルをそれほど踏み込まなくとも、車体がスルスルと進んでくれます。

昔は好き嫌いが分かれたターボラグも抑えられて、自然吸気エンジンと同等の滑らかさを持つに至っています。

 

そして自動車税は安い(大体1ランク下の排気量での自動車税額となるので)ので、奥さんを説得する手段として使えるかもしれません笑。

 

ということで、あなたも素敵なダウンサイジングターボ生活、いかがでしょうか(*´ω`*)

 

以上です!