新型WRXが北米で発表となりました!
車情報誌の情報から、排気量が2.5リッターに拡大され、これまでのEJ20型エンジンと比較して大幅なパワーアップという情報(中には400PS, 500N・mなんて予想も!?)もありましたが、蓋を開けてみると・・・?

2022 new subaru wrx
え?エンジンスペック大したことなくない?
私個人的にも大いに興味ある内容なので、今わかっている情報から今回発表されたエンジンスペックについて旧型やシビックタイプR等とも比較していきたいと思います。
各車スペック比較

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さて、今回比較するエンジンは
- 旧型WRX STI (EJ20型)
- 旧型WRX S4 (FA20型)
- シビックタイプR FK8 (K20C)
とします。
2.5リッターのスポーツカー用ターボエンジンがあまり多くなく、あっても国内だとレクサスの新型NXに搭載されるエンジンくらいで比較対象が少ないので、今回は旧型と旧型のライバル(エンジンの排気量と性格から)としてシビックタイプR FK8を持ってきました。
最高出力について
まず、出力について。
2.5リッターターボなので下手すると5リッタークラスのパワーが出ているかも!?と期待に期待されていたエンジンですが、最高出力は271PS、最高トルクは350N・mという数値でした。
これ、トルクは流石にそこそこ出ているものの、最高出力としてはかなり控えめに見えます。
値的には大体3.5リッタークラスの出力ですね。
比較対象としている旧型WRX STI/S4やシビックタイプRは、この新型WRXよりも低い排気量(2.0リッター)で4リッタークラスの出力を発揮しているので、どうしても見劣りしてしまいます・・・
出力特性について
記事を読んでいると、今回のエンジンは最高出力を狙ったものではなく、ラリーで勝てる出力特性を狙ったものということです。
ということは、最高出力特化型ではなく、低回転から最大トルクを発揮する扱いやすい出力特性といった味付けをしているのかもしれません。
最高出力を敢えて落として常用域から高速域まで広範囲に最大出力を維持できるようにしたのであれば、次世代エンジンとして新たな方向性を示したのかもしれません。
それを見極める為の、肝心の出力特性がどの記事にも出てなかったので、北米スバルのHPのリリースから対象箇所を拾ってきました。
DYNAMIC PERFORMANCE
For 2022, the WRX lineup features a new 2.4-liter turbocharged Subaru BOXER® engine, delivering 271 horsepower at 5,600 rpm, a broader torque curve with 258 lb-ft of torque from 2,000-5,200 rpm. The increased displacement, along with a turbocharger equipped with electronically controlled wastegate and air bypass valves, improves responsiveness and acceleration.
つまり、最高出力271PSは5600rpmで発揮し、最大トルク258lb-ft≒350N・mは2000rpm~5200rpmという非常に広い領域で発生する模様。
つまり旧型と比較すると・・・あれ??
なるほど、確かに旧型のWRX STIに搭載されていたEJ20型と比べると最大トルクを発揮する領域が大幅に広がり、かなり扱い易いエンジンになってるように見える・・・。

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え、まって。
でも旧型のWRX S4と比べてもトルクバンドが800rpmほど増えたものの、最高出力は相変わらず負けているし+500ccのターボ車と考えると、もうちょっと踏ん張った数値を出してほしいと思う人多いんじゃないかな・・・?
EJ20は最高トルクを発揮する箇所が1点しかないので扱いが難しそうに見えますが、エンジンのトルクカーブをみると、その最高トルクに至るまでは意外とフラットな形状になってるので、ピーキーすぎるというほどピーキーなエンジンではない印象です。
うーん。。。
印象まとめ
せめて馬力かトルクかだけでも旧型を凌駕する数値を出してもらったほうが、こういった車を求める層には刺さったと思うんですけどねー
エンジン自体はそこまで言うほど悪くはない(最大トルク発生回転数は非常に広い領域でフラットになっているため、中低速はかなり強いと思われる)のですが、数値で現れる秀でた個所が欲しい!というのがスポーツカー所有者の胸中かと。
北米仕様は使用する燃料の関係で最高出力が落とされている(シビックタイプRだと、北米仕様は最高出力306PSで日本仕様と比べると5%ほどデチューンされています)ため、そのままの仕様で日本に来た場合は284PSくらいにはなるかもしれまんが、ファンが期待する、とんでもない2.5リッターターボエンジンを搭載した日本仕様のWRXが登場することを楽しみにしています。